62
「あいつらはとんでもないやつらなんだ。だから、今回は特例で、仕返しも考えている」
「そんなことしちゃだめだよ!」
「でも、犠牲者はとてつもなく多い。その人たちが報われないだろう?さっき殺したくなっただろう?」
「なった」
「仕返ししてもいいんだよ」
アミは優しい顔になった。
「どうやるの?」
「あのまが玉の苦しみをやらせる。苦しみは50%くらいでね。ちなみに、50%でも、そうとう苦しいよ」
アミは真剣な顔になった。
61
「ひどいことだと思うかい?」
「うん。その人のせいじゃないと思う。きっと育て方が悪かったんだよ」
「魂の年齢が低いと、悪いことを悪いと思わないんだよ。そいつらは、魂の年齢が低いんだ。とても野蛮で、簡単に人を殺せるんだよ。そんな人をそのままにしておくと、大変だろう?」
「確かに、大変だ」
「ひどいことを例えにしていいかい?例えばビンカがその野蛮人にレイプされたとする。その野蛮人に対して、何もせずに許すのかい?」
「それは絶対に嫌だ!!!殺す!!!」
「だろう?」
「わかった」
僕はとても嫌な気分になった。
60
「なぜ、悪意がある人は罰してもいいの?」
「苦しんで、悪いことをすると苦しまなければならないと覚えこませるんだ。そうしないと、悪いことだとわかっていながらそれをやり続けるんだよ。ひどい人は、それが止まらない。だから、罰は必要なんだ」
「でも、それはひどいことだと思う」
「そう思う人は多い。みんな優しいからね。でも、本当は、罰はとても大事なんだ。宗教が本当は罰せられるべきだって言ったよね?」
「うん」
「それも、罰を与えないといけないんだよ、本当は。大事なんだよ。多分、それがわからないのは、悪い人がまわりにいないからだろうね。悪い人は本当に危ないんだよ。だから警察があるんだろう?」
僕は自分の無知さを恥じた。
56
「でも、ご褒美があるんだよ」
「ご褒美?」
「そう。35年間頑張ったから、そのご褒美として、終わった残りの人生はとても楽しい人生にしてあるんだ」
「へー!どんな感じなの?」
「有吉って知ってるかい?」
「また日本人?」
「まあね。有吉は、35年間ずっとつらかったんだけど、それが終わった今は、芸能界でひっぱりだこで、いつも楽しい気持ちでいるんだ。それは宇宙人がプレゼントした、頑張った証のご褒美なんだよ」
「そうなんだ。それを聞いて安心した。鈴木さんも、あとちょっと頑張って欲しいな」
僕は切実にそう思った。