「あいつらは、風呂にずっとつかっているようなものなんだよ。いつも温かいんだ。だから、辛さなんて通り過ぎていくだけなんだよ」
「うらやましい」
「でも、そのかわり、冷静な判断ができなくなっている。だから、帽子はかぶせないといけないんだ」
「神様は、なんでそんなふうに、帽子を取れるようにしたんだろう?」
「それは、多分とても苦しい状況に置かれた人のためだろうね。その人が苦しみから解放されるように、帽子を取れるようにしたんだと思うよ」
「そうなんだね。僕も、帽子とってみたくなってくるな」
「それは色々とことが済んでからにしてもらおうか」
アミはにやりとした。