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「なんでそんなに悲しい顔をしているんだい?」
僕はまず、クラトに話そうと決めた。アミから聞いた内容を、覚えているかぎり全部話した。宇宙人には2種類いて、帽子を取った方は狂っているということ。そして、地球はその帽子を取った方に管理されていたということ。本当の宇宙は、もっと楽に生きられる、おだやかな世界であること。
クラトは少し驚いたようだけど、落ち着いていた。
「そうだったんだな。なんか変だとは思っていたよ。みんなが成長、成長、愛の度数がどうとかばかりで、いやな世界だなと思っていた。だから、それを聞いて安心したよ」
「クラト、あなたはすごいわ。本当のことを見抜いていたのね」
「自分に素直なのが取り柄でね。だから、わしは生き方は今までとかわらない。自分勝手に生きていくさ」
僕はクラトを尊敬した。